純情、恋情、にぶんのいち!



とーご先輩は、駅から少し外れたカフェに入ると、スマートにホットカフェオレをふたつ注文してくれた。

お財布は出させてくれなかった。


「ちょっと泰人に連絡してくるから、飲んで待っててくれる?」

「あっ、はい!」


わざわざ店の外に電話をかけにいくところに、隠しきれない人柄の良さを感じる。

先生が入れてくれる、わたし専用のコーヒーよりもずっと甘いカフェオレが、お腹をじんわりと温めていった。


「あったかい……」


私服姿のとーご先輩を見るのはこれがはじめてだけど、かっこいい人って、きっとなにを着てもかっこいいんだろうなあ、ともはや冷静な気持ちになった。


白のケーブルニットセーター、ネイビーのアンクル丈のパンツ、落ち着いたカーキの膝丈コート。

全体的にとてもシンプルにまとまっていて、でも決して地味じゃないのは、とーご先輩自身が持つ輝きのせいなのだろう。

こんなにスタイリッシュなのに、大きめのマフラーをこれでもかというほどぐるぐるに巻いていたのが、ちぐはぐで逆にかわいかった。
先輩に対してなんと失礼な発言だ。


ガラス越しにじっと見てしまっていると、とーご先輩がわたしの視線に気づいて、透明のむこう側で遠慮がちに笑った。