▽
▽
来たるクリスマスイブ、集合は、駅前の大きなツリーの下で。
あまりに定番の待ち合わせ場所だからか、ものすごく混みあっていて、これじゃさーちゃんたちを見つけられそうもない。
「さむ……」
目の前をひっきりなしに行きかうのは仲良さげなカップルばかり。
あんまり寒くて、ひとりぼっちが寂しくて、もしも、の話をウッカリ妄想してしまう。
もしも、先生が教師じゃなかったら。
もしも、わたしが生徒じゃなかったら。
いまごろ、どこかで、ここで、ふたりで歩くことができていたのかもしれないなあ、
……なんて。
「ほんと、さっむいねー」
突然ふわりと降ってきたのは、絶対的に知らない声だった。
当然のようにわたしの隣に立ち、当然のように笑いかけてくるその人は、当然のようにわたしのマフラーに触れた。
「えっ……ええっ、」
隣どうし、すぐ傍で目が合う。
にこり、と微笑まれる。
「誰かと待ち合わせ?」
「いや……あの、ええと、」
ふわふわした黒髪の向こうの瞳は本当に親しげだった。
知り合い、だっけ?
でも、自分の記憶をどれだけ遡っても、この人のことが思い出せない。
「指先も鼻も真っ赤じゃん。あったかいところ行く?」
そう言いつつ、あんまり自然に手を握られたから、わけもわからないまま、思わずうなずいてしまいそうになった。
▽
来たるクリスマスイブ、集合は、駅前の大きなツリーの下で。
あまりに定番の待ち合わせ場所だからか、ものすごく混みあっていて、これじゃさーちゃんたちを見つけられそうもない。
「さむ……」
目の前をひっきりなしに行きかうのは仲良さげなカップルばかり。
あんまり寒くて、ひとりぼっちが寂しくて、もしも、の話をウッカリ妄想してしまう。
もしも、先生が教師じゃなかったら。
もしも、わたしが生徒じゃなかったら。
いまごろ、どこかで、ここで、ふたりで歩くことができていたのかもしれないなあ、
……なんて。
「ほんと、さっむいねー」
突然ふわりと降ってきたのは、絶対的に知らない声だった。
当然のようにわたしの隣に立ち、当然のように笑いかけてくるその人は、当然のようにわたしのマフラーに触れた。
「えっ……ええっ、」
隣どうし、すぐ傍で目が合う。
にこり、と微笑まれる。
「誰かと待ち合わせ?」
「いや……あの、ええと、」
ふわふわした黒髪の向こうの瞳は本当に親しげだった。
知り合い、だっけ?
でも、自分の記憶をどれだけ遡っても、この人のことが思い出せない。
「指先も鼻も真っ赤じゃん。あったかいところ行く?」
そう言いつつ、あんまり自然に手を握られたから、わけもわからないまま、思わずうなずいてしまいそうになった。



