純情、恋情、にぶんのいち!



「……っ、は……」


ほんの、数秒。

いや、それにすら満たないゼロの世界だったかもしれない。


でも、いまさら気づいたわけだけど、眼鏡をかけたほうの先生とこういうことをするのははじめてだったから、本当に呼吸の仕方を忘れてしまったのだ。


「……本当にきみは、彼や僕を煽るのが上手ですね」

「はえ……」


頭がぼうっとしている。

思考回路は完全に停止。

そうしているうちに、先生の右手に簡単に顎を持ち上げられ、いつのまにかもういちどキスされた。


ぜんぜん情熱的なやつじゃない。

どちらかといえば、いつかなにかの洋画で見た、外国の子どもが母親にしたそれとよく似ている温度感な気がする。


それでも降り注ぐキスは想像以上の長い時間やまなかった。

ひょっとすると、いちいち呼吸を止めてしまうわたしをおもしろがっているのかも。


何度交わしただろう。

最後に、ちゅっとかわいらしい音を鳴らして、何度もくり返されたそれはやっと終わりを迎えた。


「……せん、せ」