「ひあっ……!」
「……バカだな」
挨拶というには少し重くて、くちづけというには軽すぎるなにかが、ちゅ、ちゅ、と落とされていく。
首に、頬に、瞳に。
愛らしい音をたてながら与えられるそれに、お腹の下あたりがせまくなった。
そして、くちびるにやって来る手前で、とうとうそうするのをやめた先生は、口元にいじわるな笑みを浮かべていた。
「……なんつー顔してんだよ」
「へ……」
「とろけきった顔」
だって、先生が、大人だから。
わたしがいままで経験したことなんかないようなことを、普通にやってのけるから。
目じりに添えられている親指を思わずぎゅっと握ると、先生はまた笑った。
先生にはいつも余裕がある。
大人の余裕なのか、教師の余裕なのか、それともわたしが子どもすぎるだけなのか。
いつも、わたしばっかりどきどきして、わたしばっかり、好きなんだ。



