圧倒的な負け試合なことは最初からわかっている。
「好きになるのも、告白するのも、わたしは先生とか生徒とか関係なく、自由にしました。だから先生も自由に振ればいいです。
迷惑だって、いまここできっぱり言ってくれれば……終わりに、します」
振ってくれたら、全部がジ・エンド。
そんなふうに割り切れないことなんてわかりきっているのに、先生が相手にさえしてくれないから、実現できそうもない強がりを言ってしまった。
まぶしいオレンジを、底なしの深い紺色が、容赦なく飲みこんでいく。
「ずるい、ずるい……と、人のことをさんざん責めたてておきながら、本当にそうなのはどちらでしょうね、野村さん」
先生は西の窓をちらりと確認すると、もういちど息を吐いた。
「どうしてきみは、そんなにもお馬鹿さんなのでしょうね」
――せんせい、
どうして、ちゃんと、振ってもくれないの。



