そう訊ねたかったけれど、否定されるのが怖くて、なにも言えない。
「……ね、先生」
「なんだ」
「さっきの言葉……勢いなんかじゃないです。嘘じゃないです。わたし、先生のことが……好きです」
引っぺがすように体を離される。
「そういうことを教師にむかって簡単に言うな」
「っ、簡単じゃ……」
「じゃあ、おやすみ」
なんだか追い出されたみたいな終焉。
先生は、わたしが家に入るのを確認するなり、すぐに車を発進させた。
玄関のドアのむこう側、車が遠ざかっていく音を聞いているうちに、だんだん寂しくなってきてしまった。
へなへな、脚の力が抜けて、冷たい床に座りこむ。
きょうは本当にいろんなことがありすぎた。
「……はあああ……」
先生、なにも、言ってくれなかった。
きっと子ども扱いされていると思う。
気持ちを返してほしいわけではないけど、あんなふうにはぐらかされてしまうのは、どうしても悔しい。
だけど、
……だけど、抱きしめてくれた。
先生がぎゅっとしてくれたおかげで、あの気持ち悪い感触、すぐに消えてなくなった。
これは、この気持ちは、間違いなく、勘違いじゃなく、
たしかに、恋愛感情だと思うのです、先生。



