ある雪の降る夕方。


震える手で、その包みを拾う。
形は違ったけど、それは間違いなく、チロルチョコレートのミルク味。

あの日、あたしがタケルに渡した、初めてのバレンタイン。


いびつな形のその包みを、ゆっくりと開く。
中からでてきたのは、チョコレートよりもっと小さいシルバーに光る欠片。

小さな、片方のピアス。


「・・・・・・あ、」


思い出す。
タケルと過ごした、優しい日々を。