その言葉の意味を、タケルはすぐにわかってくれた。
表情を崩さずに、あたしの目を真っ直ぐに見つめる。
泣きたくなる前に。
決心が揺らぐ前に。
言わなきゃいけない、言葉を。
「もう、終わりにしようか」
あたしからこの言葉を言う日がくるなんて、想像もできなかった。
タケルが好きだった。大好きだった。
その気持ちは、今も変わっていない。
でも、あたしは確かに変わった。
変わった環境の中で、増岡君の告白に揺らいだのも事実だった。
タケルがそんなあたしを見抜いていたのも事実だった。
変わらないものと、変わってしまったもの。
少しずつ、その溝が深くなっていってしまって。
気付いたらここまで来てしまった。
戻れない所まで、来てしまった。



