ある雪の降る夕方。


その言葉の意味を、タケルはすぐにわかってくれた。

表情を崩さずに、あたしの目を真っ直ぐに見つめる。

泣きたくなる前に。
決心が揺らぐ前に。

言わなきゃいけない、言葉を。


「もう、終わりにしようか」


あたしからこの言葉を言う日がくるなんて、想像もできなかった。

タケルが好きだった。大好きだった。
その気持ちは、今も変わっていない。

でも、あたしは確かに変わった。
変わった環境の中で、増岡君の告白に揺らいだのも事実だった。
タケルがそんなあたしを見抜いていたのも事実だった。

変わらないものと、変わってしまったもの。
少しずつ、その溝が深くなっていってしまって。

気付いたらここまで来てしまった。
戻れない所まで、来てしまった。