「・・・・・・ル、タケル!」
校舎裏、体育館倉庫の手前で、あたしはタケルに追いついた。
その腕を掴んで動きを止める。
日に焼けた手首は、熱かった。
歩みを止めたタケルは、一呼吸置いて振り返る。
「何?」
冷たいわけではないその声は、聞きなれているそれと同じはずなのに。
あたしはぐっと喉の奥がつまる感覚に襲われる。
2人の間に言い表せないよどんだ空気が満ちている。
あたしは堪えきれずに、口を開いた。
「・・・・・・知って、たの?」
どうしてその言葉を選んでしまったのか。
でももう出てしまった言葉は、取り消せない。
避けては通れない道を、自分から開けてしまった。



