きゅーぴっど②




「……タイミングがタイミングだからな、上の奴等も悩んだらしいが……

とりあえず依頼続行という形で落ち着いたらしい」


ふー、と煙を吐きながら班長は言った。

俺は煙草の臭いに思わず顔をしかめながら、
班長の言葉を頭の中で反復した。


「つまり、俺はもう一度中川桜のところに行き
依頼を成功させろと?」
「ああ」


班長がそう言った瞬間、
俺は「分かった」とだけ言って踵を返す。










「……正樹、―――…」


部屋を出る直前、班長が何かを言っていたが
俺はそれを無視し、中川桜の元へ行くため歩を進めた。