「だって、男に興味がなかった絢子がだよ!? 驚くに決まっているじゃん!」 「別に、興味なかった訳じゃ……」 美羽は、興奮気味に話して来た。 それに言い訳しようにも、話しを聞いてはくれない。 「23歳で初恋かぁ。 純粋だね」 千晃は、遠い目をしながら静かに言う。 「千晃だって純粋じゃんっ。 10年も片思いしていたんだから」 純粋なのは、アタシじゃなくて千晃だと思っていた。 だから、さすがに反論した。