お兄さんが立ち去った方向を見ながら考えていたら、いきなり腕を引っ張られた。 その反動で振り向いたら、結花が引っ張っていた。 「結花っ。 びっくりするじゃんっ」 探していた本人が目の前に現れて安心するのと同時に、驚いた。 「びっくりするのは、私の方! いきなりいなくならんでよっ」 だけど、逆に怒られた。 「え? アタシがいなくなった?」 「そうだよっ。 さっきいた所から、かなり離れているじゃん!」