──…捕まったら面倒くさそう。 端正な稀に見る美少年を前に女としてのアンテナは全く立たず、今日は早めに切り上げようと席を立った……筈だった。 『…何かしら』 『一杯付き合ってくれません?』 『……』 掴まれた腕をちらりと見て溜め息ひとつ。 『あたし、スーツを着てないようなオトコには興味ないの。ごめんなさいね』 目を丸くした美少年の手から逃れ、にこりと笑いお店をあとにした。