カクテル・ナイト




拓夢、と翔くんの口から聞き慣れない名前が出た。


『…楽しそうじゃん』


年は翔くんと同じぐらい。ラフな格好には合わず端正な顔立ちは店内の薄暗さにも映える。


硝子玉みたいな瞳があたしを捉え、瞳の奥に何か色を灯らせた。