部屋に入ってから、自称小鳥はどこへ行ったの、と聞きたいほど早業をあたしにけしかけてきて、いつのまにか拓夢の腕の中にすっぽりとおさまる。
「ねえ、我慢させた罪って重いんだよ、知ってた?」
ショコラ色の髪。ふわふわしてるくせに、さらっと指が通る理想的な髪。
「好きだよ、瑠李さん。瑠李さんが思ってるよりもずっと」
甘さを含むヘーゼル色の瞳。長いまつ毛に縁どられて、キラキラしてる。
「キスより先にそれを言うべきなんじゃないの」
そんな意地悪な目の前の小鳥に悔し紛れの意趣返し。
「好きなんてずっとずっと言ってたつもりだったのに」
「まだまだ足りないわね、…満たしてよ」
「…覚悟しろよ」
男が感じられるその表情も、ねえ、あたしのものにしていいの?

