「瑠李さん、立花っていうんだね」 口火を切ったのは拓夢のほうだった。 「…そうよ、立花瑠李。…えと、拓夢」 ショコラ色の髪に隠れて見えない拓夢の瞳。ねえ、その瞳には。 「なに?」 「担当者、須藤瞬って書いてあったから、…驚いたわ」 いま何が映っているの? 「瞬は俺の兄貴。兄貴がお前もそろそろ一人で企画持つべきだって任せてくれたんだ」 「…そうなの」 不意に拓夢が顔を上げた。