そこからは、記憶がほとんどない。本当にない。最後、浩介と拓夢の握手を見るからには進行の話し合いは上手くいったと思えるけれども。…ただし。



「すみません、木戸さん。少し立花さんとお話しさせていただいても?先ほどは挨拶も碌にできなかったものですし」

「ああ、そうですね!では、この会議室をそのままお使いください。私は企画書の変更部分を修正しにデスクに戻るので」



この拓夢とあたしの二人きりという状況を除けばだけれど。



浩介がいなくなったと同時に静まり返る会議室。気まずいを通り越して、もう悟りでも開きたい気分でさえある。