恥ずかしくて、情けなくて、会議室に入っても顔をなかなか上げられなかった。


協賛会社とは今日が初めての顔合わせだっていうのに。もう、穴がなくても掘って埋まりたい。


「先ほどは野暮なことをしてしまい、申し訳ないです。少し、こちらの時間が押してしまっていて…」

「いや、こちらこそみっともないところを」



浩介は初めてではないからか、親しそうに話しをしているのを横目で見て、ため息ひとつ。



「瑠李、こちら今回の企画の担当をしてくださる須藤さんだ」



振られたからには仕方ない。意を決して顔を上げる。



「…っ」

「須藤拓夢です、‘初めまして’」