「…瑠李さん、狡いですよね」

「あら、心外だわ」

「俺に…何か許してくれたって良いじゃないですか」


よっぽど、この浩介の香りが嫌だったのか、いつまで経ってもスマートさが復活しない。



「何を許すの」


言いたいことは分かる。


一夜だけの関係やキスなんて勿論のこと。連絡先も教えてない。


「ねえ、拓夢」

「…何ですか」