「瑠李さん、この匂いなに?」 「…だから、何でもないわよ」 いつもはあたしの前でスマートなオトコをたぶん演じているくせに、他のオトコの存在がちらつけば素なのか子供っぽさが垣間見える。 …遊びの恋愛にしては、本気になりすぎなんじゃないの? 「…抱かれたの」 「何回言わせるの。なんでもないわよ」 何回目か分からないこのやり取りに少々辟易する。