____ ______ 私は、四人家族だった。 決して、豊かな暮らしとは言えないけれど静かに、楽しく小さな一軒家に暮らして居た。 「ママ、今日お兄ちゃんがママの事鬼ばばあって言ってたよ?」 これは、まだ幸せだった時。 四歳の春。 「---!ちょっと、来なさあい…?」 と、お兄ちゃんを鬼の様な微笑みで自分の場所に呼ぶ。 ―――如月香織。 それが、母の名前。 怒ると、滅茶苦茶怖いけど、普段はとても優しい母だった。