〖ガラスの宝〗

その後、倖の様態は
一向に良くならない。

ただ、進行するばかり。

神様、私は如何すればいいの?


私が倖にしてやれる
事はないの?
教えて・・・誰か・・・。


私は毎日そう願っていた。

「倖・・・ゴメンね・・・」
「辛い思いさせちゃって」

「ママ、倖だいじょうぶだよ」

「・・・・・」

「けいすけ先生も
来てくれるし寂しくないっ」


「・・・倖・・・」

私は子供にそんな事を
言わせる様にまで
なってしまったの・・・!?

倖は私が母親じゃなければ
こんな思いしなくて済んだ
んじゃないの・・・?


時折、そう言う思いが
頭を過ぎるようになった。

倖のせいなんかじゃない。


全て、私のせいなんだわ。


「・・・恵介先生、呼ぶ?」

「いいのっ?やったぁー!」

「倖が喜んでくれるなら・・・」


私は幼稚園に電話をした。

「もしもし三咲です」
「御神さん居ますか?」

『あ、御神先生なら
丁度今、帰り支度を
している所です』

「あ、あの・・・
御神さんに代わって
頂けますか・・・?」

『はい、少々お待ちを・・・』


そして、御神さんが
電話に出た。