「それでは!我が魔界の姫、そして俺の娘ルウナと婿ラウルの結婚式をはじめる!」


パパがそう言うと、
拍手が盛大に鳴り響いた。

「では、これより
ルウナ様、ラウル様の誓いの儀式を始めます。」


ネルフがアタシとラウルの前に出てきた。


「ラウル様、こちらを…」

ネルフがラウに渡したもの……


焼き印の鉄だ…

魔界では夫婦になるとき、同じマークの模様を体に焼きつける。


「ルウナ、熱いけどすぐ終わるから。」


左胸にジュッと押された焼き印…


熱い…


それでもこれは愛の形なのだ。


「ではルウナ様からラウル様へ…」


ラウルも左胸に押した。


「ラウル、大丈夫?」


「平気だ。」


「それでは、誓いのキスを…」


え?


誓いのキスなんかあるって誰も言ってなかったよ!


ラウルも驚いた表情をしている。


パパやママ、オリーブやティム、エレンやエルム…

皆はニヤニヤと笑っている。


アタシたちの目の前のネルフは…

「熱烈なキスを…」


無表情で淡々と言った。


ネルフの考えは怖い…


そう思っているとくるりと向きを変えられ、ラウルと向かい合わせになった。


「皆に見せつけてやるか。」


そう言ったラウルは、楽しそうに微笑んでいた。