誠の桜に止まる蝶

「蝶ちゃん?」

膝の上の彼女を見るとスースーと寝息を立てていた。

「寝ちゃったか。」

蝶ちゃんの瞳に残っていた涙をふく。

やっと、素直に泣いてくれた。

今までずっと泣きたいのを我慢して、一人で泣いていた蝶ちゃん。

初めてじゃないかな。俺に素直な感情を見ててくれたのは。