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「嘉っ!とりあえずお前は逃げろっ!」
「蓮っ、でもっ…!」
「早く行け!」
あるとき。
確か、七夕の暴走だったかな。
前方からは敵のチームの連合軍。後方からは大勢の警察に追われたときがあった。
計画がバレてたこととか、どうすればいいんだとか考える前に蓮は、俺に警察に捕まらないように逃げろ、と言った。
城は安全が確認しきれてなかったからどっか他のとこに、と言われて桜華のまとまりから抜けた。
「……、」
心臓が飛び出しそうなくらい脈打って、一心不乱にバイクを走らせた。
――なんで、バレた?
――みんなは、安全?
―――俺は、どこに逃げればいい?
気がついたら、海に程近い大きな公園の近くに来てた。
初夏の海は人も多くて、ザワザワしてて。
ここなら人混みに紛れることができると思って、バイクを停めて公園に入った。



