華〜ハナ〜Ⅲ【完結】





***



「嘉っ!とりあえずお前は逃げろっ!」

「蓮っ、でもっ…!」

「早く行け!」





あるとき。


確か、七夕の暴走だったかな。


前方からは敵のチームの連合軍。後方からは大勢の警察に追われたときがあった。




計画がバレてたこととか、どうすればいいんだとか考える前に蓮は、俺に警察に捕まらないように逃げろ、と言った。


城は安全が確認しきれてなかったからどっか他のとこに、と言われて桜華のまとまりから抜けた。








「……、」


心臓が飛び出しそうなくらい脈打って、一心不乱にバイクを走らせた。



――なんで、バレた?

――みんなは、安全?


―――俺は、どこに逃げればいい?






気がついたら、海に程近い大きな公園の近くに来てた。



初夏の海は人も多くて、ザワザワしてて。



ここなら人混みに紛れることができると思って、バイクを停めて公園に入った。