パタン、とドアが閉まる。


依然私たちの手は繋がったまま。




「ごめんね、お願い聞いてもらっちゃって。」

「いいのよ、謝らないで。」




私だって話しがしたかったから。




くるりと嘉のほうに目を向けると、切なそうに眉を寄せているのが見えた。




「……どうしてそんな顔をするの?」

「……侑希ちゃんってホントよく表情に気付くよね…」




弱い力で繋がった手を引かれ、部屋のイスに座る。



嘉は、繋いでいないほうの手で私の頬を包んだ。





「………似てるんだ。」





誰に、とは聞かなくても嘉の表情を見れば分かった。



見たことある顔。


泣きそうな、苦しそうな、切なそうな顔。





「………。」



嘉は私を通して彼女を見ているのね。