1階はシン、と静まり返っていていつも聞こえる笑い声やバイクの音も聞こえない。




出入り口である扉の前に、藍色の髪色の李玖がいるのが見えた。


おそらくあそこに嘉もいる。







「……嘉、」

「れ…ん、」



嘉、泣いたの…?


目が赤い…。




「…っく、」

「嘉、落ち着け。」




どうしたの…嘉…?


らしくない。


…いや、それどころじゃないわね。



いったい何が嘉をこんなにも打ちのめしたの?