私の服はいつも黒だった。


黒い、シフォンワンピースがマスターのお気に入り。




「あの人、ロリコンか?」

「…ぶっ!お前、そんなこと言ったら殺されるぞ!?」

「乃亞だって笑ってんじゃねぇか。」




――ロリコンじゃないとは思うけれど。



「月華を大事にしてくれんのかね〜?」

「………。」




大事にしてもらいたいなんて期待してない。



ただ、私はあの人の側に居られればいい。



彼だけが私の存在意義であり、私の命をつなぎ止めるものだ。




「月華はまだ子供なのにな…」



禍后の顔が歪む。



――彼は自分の仕事を毛嫌いしていた。


――人を殺すことを、人を殺す自分を、嫌っていた。