「侑希!おはようっ!」 腕にすりよってきて下から私を見上げる楓は相も変わらず可愛らしい。 「おはよう。」 少し微笑みながら返せば、嬉しそうに笑った。 「なあ侑希、祭があんの知ってっか?」 眠たそうな表情で頭を掻きながらこちらに歩いて来るのは李玖だ。 「…祭?」 あの、わいわいがやがやしてる、アレ? 「そー。夏休みの最後の日にな、あんだよ。」 「そう。」 行きたくはない。 人混みは嫌い。