だからこそ。


「……そういう人もいるわよ。」

「そうなんだろうね。」




だからこそ、私たちのような組織に狙われてしまうのかもしれない。






“問題は新倉嘉だね”


あの日のマスターはそう言った。




“彼はいつか、消すことになるかもしれない。”



その時が来たら、私は迷いなく実行出来るだろうか。


……自信がないわね。





「……侑希ちゃん?」

「え?」