「松宮さん、」 あ、この声…… 「おお、新倉の若いのか。」 「お久しぶりです。」 「ふん。お主、今日は一人か?」 「はい。」 嘉は笑顔で老人と話している。 知り合いだったのね…。 「……お嬢さんですか?」 「孫娘じゃ。お主より5つ年上だからの。」 「…こんにちは。」 「こんにちは。」 他人行儀な挨拶。 それは、嘉と未也美との間で交わされた。