華〜ハナ〜Ⅲ【完結】






「華は、いつ消えた?」



蓮士と結都が目を覚ました時にはすでに姿がなかった華。

それに、嘉は答えた。




「二人が目覚める、何時間か前だったよ…」

「何か、言ってたか?」

「…いろいろな、話を。」




華の正体を知ったこと、それぞれの過去に関わっていたこと、そして、最後に残した言葉について、嘉は言葉を振り絞りながら話した。




「楓……。」


嘉の話を聞きながら、こぶしを握りしめていた楓に、蓮士はすぐに気付いた。




「…おれ。侑希のこと許せねえ。探して、文句言ってやる。手が、出るかもしれないけど、かなわないかもしれないけど、でも……」


ゆるせない、と。声にならない声で楓は言った。





「蓮と結都は?なにを、見たの…?」



嘉の問いに、蓮士は「あいつが言ってた通りのことだ。俺たち三人は、幼馴染だった。…俺たちは、忘れさせられていたけど。」と呟く。




「…俺は、華に会いたい。会うだけでも、良い。」


唐突に、結都ははっきりとした声でそう言った。




「蓮と俺は、華に会いたい。今、それ以外のことは何もないんだ。分からないかもしれないけど、俺たちは華に縛られてる。生涯、絶対に華以外に心が動くことはない。そんな、状態なんだ。」



それは、強い意志を持った言葉だった。












「冗談だろ!?」