「華は、いつ消えた?」
蓮士と結都が目を覚ました時にはすでに姿がなかった華。
それに、嘉は答えた。
「二人が目覚める、何時間か前だったよ…」
「何か、言ってたか?」
「…いろいろな、話を。」
華の正体を知ったこと、それぞれの過去に関わっていたこと、そして、最後に残した言葉について、嘉は言葉を振り絞りながら話した。
「楓……。」
嘉の話を聞きながら、こぶしを握りしめていた楓に、蓮士はすぐに気付いた。
「…おれ。侑希のこと許せねえ。探して、文句言ってやる。手が、出るかもしれないけど、かなわないかもしれないけど、でも……」
ゆるせない、と。声にならない声で楓は言った。
「蓮と結都は?なにを、見たの…?」
嘉の問いに、蓮士は「あいつが言ってた通りのことだ。俺たち三人は、幼馴染だった。…俺たちは、忘れさせられていたけど。」と呟く。
「…俺は、華に会いたい。会うだけでも、良い。」
唐突に、結都ははっきりとした声でそう言った。
「蓮と俺は、華に会いたい。今、それ以外のことは何もないんだ。分からないかもしれないけど、俺たちは華に縛られてる。生涯、絶対に華以外に心が動くことはない。そんな、状態なんだ。」
それは、強い意志を持った言葉だった。
「冗談だろ!?」



