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次の日には、城全体にいた、倒れていたメンバーも全員目を覚ました。
嘉が説得したのか、楓も少し落ち着いていた。
蓮士と結都も朝から気分を入れ替えたようだ。
「とりあえず、全員いったん家には帰れよ。」
総長からの指示を待つものは大勢いる。
蓮士はその様子を見て背負うものの重さを感じた。
…自分は人の上に立っているのだ。どれだけの絶望を感じていようと、それに浸っている暇はない。
一日かけて、どんよりとした空気に包まれた城全部の窓を開け、空気を入れ替え、メンバーのいない静かなここで、5人だけで過ごした。
「嘉、李玖、楓…話さなきゃならないことが、たくさんあるな。」
「そうだね…」
「…ああ。」
「……。」
そして少しずつ、話を始めた。