いつもの公園に遊びに行くと、たまにゆうとしか遊びに来ていない時があった。
そんなときはいつものように日陰で二人で遊ぶ。
「今日は、はなちゃんは?」
「今日はね、うえのとおべんきょうだって。いけないって言ってた。」
「はなちゃん、おべんきょうしてるの?」
「そう。もうね、字もかけるんだって。」
「へえ、すごいねえ…」
ゆうとは字を読んだりするのはまだ苦手らしく、絵本のひらがなならときどき読める俺は少しの優越感を抱いていた。
それと同時に、家でもハナと一緒に居られるゆうとにたいしてほんのわずかな劣等感のような嫉妬心のような、言葉では言い表しにくいモヤモヤとした気持ちも抱いていた。
―――――俺だけの天使は、俺だけの天使ではなくなってしまった。



