華〜ハナ〜Ⅲ【完結】





そして俺の、何よりの楽しみ。

両親が傍にいた期間は会う事が出来なかったが…



あの天使に会うことだった。



「レンくん!」

「あ!!はなちゃん!!」




ハナという少女とは、すっかり仲良くなっていた。

会うときはいつも日陰。

日陰ですら眩しそうに目を細め、長時間は外にいられないようだったからだ。



それでも嬉しそうに笑う少女のことが大好きで、会うことは止められなかった。


そしてある時、少女は良く似た少年を連れてきた。




「レンくん、ゆうとだよ。わたしの姉弟になったの。」

「ゆーと?」

「れん?」



ゆうとという少年は、ハナまではいかないまでも、とても色が白く、金色の瞳と髪をもった人形のような男の子だった。




「はなちゃんのきょーだい?」

「そうなの。半分だって言ってたけど…」

「半分?」

「体のこっち側だけはなちゃんのきょうだいなの?」

「??」




ゆうとはとても明るい少年だった。

いつもニコニコと笑っていて、なんとなく、幼い俺と似たところがあるようだった。


ただ、ゆうとも日光が苦手なようで、日陰から出ることはできても、すぐに肌が赤くなってひどい時は火傷のようになり、具合が悪くなってしまうことも多々あった。