その日の夜のこと。
俺は、すっかり顔色も良くなり上機嫌の母親に、絵本を読んでもらっていた。
昼の間に父が買いに行ってくれた本だ。3冊もある。
「ーーーーどんぶらこ、どんぶらこ、大きな大きな桃が流れてきました。」
「わ、大きい!おばあさんより大きいね!」
「本当ねえ、一体何が入ってるのかしらね?」
テーブルには父親が座って新聞を読んでいて、そんな会話を交わす俺と母親を柔らかい目でみていた。
そんな時。
「ただ、いま……」
「あっ!!!にいちゃんだ!!!」
先日旅行に行くと言って出て行った兄が帰ってきたらしい。
玄関で驚いた表情をして固まっていた。



