どれだけその子を見つめていたのか分からない。 ふわり、とその子が動いたと思ったら、次の瞬間にはいなくなっていた。 …だから俺は、天使なんだと本気で思っていた。 他の誰にも見えない、真っ赤な瞳に白を纏った俺だけの天使。