華〜ハナ〜Ⅲ【完結】





どれだけその子を見つめていたのか分からない。



ふわり、とその子が動いたと思ったら、次の瞬間にはいなくなっていた。




…だから俺は、天使なんだと本気で思っていた。


他の誰にも見えない、真っ赤な瞳に白を纏った俺だけの天使。