遠くからその女の子を見つけた時、俺の世界は白以外の色をなくして、音も消えた。 風に揺れる白い髪の毛と、日陰にいるのに眩しそうに細められた瞳に釘付けになった。 極めつけは、その、瞳の色。 遠目でも分かる。 俺たちとは違う、俺がもっていない色。 「…きれ、い……」 見たことのない、澄んだ赤色。 真っ赤な瞳の色だけが、世界で正しい色なんじゃないかと思った。