部屋には真っ白な女の子がいた。
真っ白な肌に、真っ白な髪、そこに、宝石が埋め込まれたような真っ赤な目。
先ほどと同じようにじっと俺を見ていた。
…今度は、近距離で。
じっと見られることで圧迫感を覚えながら、俺は口を開いていた。
「……だれ?」
「貴方は誰なの。先に名乗るべきでしょう。」
「…僕は、結都。ゆうとだよ。」
「…わたしは、華。」
はな、ちゃん…。
凛とした、鈴のような心地よい声だった。
すごくか細い声だったけれど。
部屋が静かになると聞こえてくる。
ここじゃないところで、あの女の人が叫んでいた。



