華〜ハナ〜Ⅲ【完結】





部屋には真っ白な女の子がいた。




真っ白な肌に、真っ白な髪、そこに、宝石が埋め込まれたような真っ赤な目。



先ほどと同じようにじっと俺を見ていた。


…今度は、近距離で。





じっと見られることで圧迫感を覚えながら、俺は口を開いていた。






「……だれ?」

「貴方は誰なの。先に名乗るべきでしょう。」

「…僕は、結都。ゆうとだよ。」

「…わたしは、華。」



はな、ちゃん…。



凛とした、鈴のような心地よい声だった。


すごくか細い声だったけれど。




部屋が静かになると聞こえてくる。


ここじゃないところで、あの女の人が叫んでいた。