ふわり、と降り立ったのは、いつもの公園。



知らない大人も子供も、いる。


こんな時は風はいつも日陰の目につきにくい場所に少女を降ろしていた。

…のに。




その場所は人目にはつきにくいが、気づかれにくいとは言えない場所で。





でも、少女にはそんなことは関係なかった。



視線の先には真っ黒な髪の、人。


一目でわかる。


この3日間、想い続けていた人だ。





そろそろと、近づいてみれば、彼は目を伏せて眉根を寄せていた。


その姿は、まるで…





「ないてるの?」






泣いて、いるように見えたのだ。



だって、わたしも、おなじだから……。