小さいほうの少年がハナの家の場所を説明し、大きいほうの少年がハナを抱きかかえた。 「桜咲の、家……」 少女は羽のように軽く、その熱だけが存在を主張するようだった。 抱きかかえられた安心で意識を完全に絶った少女はただ息をしているだけだったが、少年2人はハナを家まで送った。 「……お嬢様。」 冷たい冷たい、身も凍るような聞きなれた声。 薄く開けた視線の先には、光り輝く暖かさを持った人でも安心する冷たさを持った人でもない人がいた。