部屋に入った途端、空気が変わった気がした。 ベッドでは蓮士が苦しそうに眠っていて、胸が上下しているのが見て取れる。 私は、体に何か異変を感じながらベッドに近づいて行った。 ドクン、ドクン… 耳元に自分の心臓があるみたいに鼓動が大きく聞こえる。 それはベッドに近づくにつれて大きくなり、また、早くなった。 ドッ、ドッ、ドッ、ドッドッドッ… 「…っ、」 呼吸の仕方がわからなくなって、一度大きく深呼吸した。 体はベッドに近づいているのに、意識はだんだん離れていく気がした。