次の日、嘉は城に少し顔を見せてすぐに帰って行った。 「嘉、大丈夫かな…。侑希、昨日なんか言ってた?」 「いいえ、特には何も。」 「そっか…」 「お姉さーん!」 ふわりと抱きついてきたユズキから香った匂いに、眉をひそめた。 「お姉さん、トイレ‼」 「柚、1人で行けんだろ?」 「お姉さん、きてー!昨日、怖い夢見たから…」 ユズキのその言葉を聞いた蓮士も「そうらしい」と言ったから、最初に文句を言った李玖も何も言わなかった。