~とある教師と優等生の恋物語~

ふわりと机から降りてまた油絵に取り掛かる白川。


「……かわいくねぇの。せっかく人生の先輩が忠告してやったのに。ため息ばっかついてるから言ってやったのによ~」


「誰も頼んでません」


「お前はホントにかわいくねぇ。うお!!」

(あっぶねぇ!)


今俺の横をすり抜けたのはいくら油絵用とはいえナイフだ。ペインティングナイフだ!!


「そんなにいちゃもんつけるんだったらあんたが助けなさいよ!」


最近エセ優等生がたまにこうやってだたの我儘っ子になっていることに本人は気づいているのだろうか?


(いちゃもんじゃねぇだろ、明らかに違うだろ!)


「はあ?教師に『あんた』って、お前」


頬を膨らませて、いつもより感情を露わにした白川が俺を睨んでいる。


「全部美術室でやるから先生が助けなさいよ。全部分かってんでしょ!」


なんという上から目線!教師にむかって。