~とある教師と優等生の恋物語~

ゆっくりと体を反転させて彼女に向き合う。


(ああ……)


目の前にすればスッキリと答えが出てくる。


(俺だって)


会いたくて。会いたくて仕方なかった。


「……お前の想いは風邪みたいなモンだから」


「ちがうよ。……もう生徒じゃない。教師じゃないもん。ジローのバカ!」


上目遣いの瞳にホロリと堕ちそうになる。


短くなった煙草をポケットから出した携帯灰皿に入れ、


落ち着け俺、と新しくくわえたタバコに火をつける。


「こんな時になんでタバコなの!」


「落ち着くから」


学校で渡せばよかった一万円を……わざわざ持ってきてくれた白川。


何時間もここで待ってくれていた意味。


目の前で涙目を隠すように眉間にシワを寄せる彼女。


人生はタイミング。


人生で逃しちゃいけないのがタイミング。


(落ち着け、俺)