青々としげる木々を抜けると母さんの墓がある。


空に浮かぶ雲がいつのまにか薄く広がるように伸びていき、秋の訪れを感じた。


いつもは何か答えが欲しくてここに来ていたけれど、今日は違う。


もうここで『答えが欲しい』なんてボヤいたりしない。


「母さん。俺やっぱ絵描くよ。てかもう描いてるんだ。事後報告でごめんな」


母さんはやっぱり嫌がるのだろうか?と

俺が描くのは嫌だろうか?と


あれから何度も考えてきたけれど。


それでも描きたいと思えるから。


ごめんね母さん。


いつも出来た息子になれなくてごめん。


でも約束する。


タローを傷つけないように努力するよ。


タローが俺に描いてほしいと思ったのと同じように、俺もタローには好きな絵を描いて欲しいと思うから。