~とある教師と優等生の恋物語~

「ユカリがね余命宣告されて。

ユカリはあれから独身のままだったし、両親はもう亡くなっているし……入院保証人の判子を押すために会ったんだけど。

もう一度だけアンナと過ごしたいと言われてね。

……それに猛反対したのは洋子だったよ」


「お母さんが?」


「アンナは私が育てた私の娘なのになんで?って」


「本、当に?」


そう聞き返す白川の声には喜び色が含まれている気がした。


うん、と頷き白川を見詰める白川さんの目が細められる。


「きっと…洋子も…アンナが離れていくようで怖かったんだと思うよ。

懐いていないって悩んでもいたから、余計に不安だったんだと思う」


「お母さんも……ずっとあたしと同じ気持ちだったのかな……」


「…たぶん、ね」


最初と比べて優しいトーンになった白川さんの声を聞き、俺は後ろにあるドアノブを回すとそっと部屋を出た。


だってこれから後の話を聞かなくても、彼女がどうすべきかは明確だったから。



もう大丈夫。


(キミは愛されてるから)


今までの分も愛されればいい。