~とある教師と優等生の恋物語~

「あ……」


窓からさす陽射しがいつもより眩しく感じるのは……

キッチンに見える白く細い素足のせい。


「あ、ジロー。コーヒー貰ったよ?」

(……デジャヴ?)


遅い朝にコーヒーの香りに、このセリフ。


「ああ。どうぞ」

でも――

あの朝と違うのは頭痛がしないこと。


それから――


自宅を女が歩き回るなんて面倒だと思ってたのに


今日はこの部屋に流れる空気が柔らかくて自然と頬が緩む。


こんな穏やかな朝は久しぶりだった。


「飲む?」


白い指から差し出された黒のマグカップ。


(俺のカップってこんなに大きかったっけ?)


なんて思いながら、なんとなくそれを一口貰って


換気扇を回してそこで朝の一服。


(ああ、そっか……)


煙草を吸う度にはっきりしてくる夕べの残像。