~とある教師と優等生の恋物語~

それからは、仕事の話からプロ野球までいつも通りのくだらなくてでもどこか落ち着いた感じのする修司の話に相槌をうち、


視界のどこかで揺れる紅に多少気を取られながら酒を煽る。


そんな時間が過ぎた。


いつもと違うのは酔ったようで酔いきれないこと。


俺の前では修司が頬を上気させて、だいぶ出来上がっていたけれど。


芋焼酎をロックで流し込んでいるのだから当然の結果とも言えるけど。


そろそろ帰ろうと香織に「修司送っていく」と電話を入れ、ケータイをしまう。

帰るぞ、とグデッとテーブルにあごをのせている修司のおでこを小突くと「ん?」と視線だけこちらによこした。


「コラ修司。お前もし明日世界が終わるとしたらってヤツ知ってっか?」


「知らね」


“『ねぇ、世界が終わるならジローは誰と過ごすの?』
『……そんなんどうでもいーよ』”


「なあ、修司。お前、明日世界が終わるとしたらその時まで誰と過ごしたい?」


は?とキョトンとした修司。



「俺が過ごしたいのは香織じゃねぇよ。それは確かだ。だからくだらんことばっか考えるな。あんまそんな事ばっか考えてると禿げるぞ」


『アンちゃん、そろそろあがってね。遅くなっちゃってごめんね』ユカリさんの声を合図に紅が白い指で外される。


修司はしばらく黙って、それから「すまん」と苦笑いした。