~とある教師と優等生の恋物語~

なぁ、大学ん時カオリンってジローの事好きだったって知ってた?なんて口角を不自然に上げる修司の目がうるんで赤いのはきっと酒のせいだ。


「は?んなわけねぇじゃん。何をいまさら。ばっかじゃねぇの?」


「バカじゃないよ。俺気づいてたから。香織がジローのこと好きだって事」


「なんだよ、それ」


「でもあの頃、ジローが香織を好きだって思ったことはなかった。お前はホントに嘘が上手いからなぁ~」


「……意味わかんないんだけど」


「けどさ、一度だけプロポーズした頃に『あれ?もしかしてジローって』って思ったことあってさ。あれって気のせいだったのかなぁ……。で、当時の焦った俺はとりあえず、お前に結婚指輪の相談したりして。故意にお前にプレッシャーかけてたの知ってる?」


嫌になっちゃうよな、と俺を見据える。


「お前の思い違いだよ、そんなの。いらぬ努力しやがって」


実は目をそらさないでいる事に必死だった。